合理的思考法について
KT法なる問題解決技法を聞いたことがあるだろうか?
この場ではKT法の詳しい説明どころか簡単な説明さえするつもりが無いのだが、ビジネスの現場でもっと有効に活用できるようにこれを改良したTM法の研修を私は受けてみた。
講師の先生によると、今や世界的企業であるHONDAの社長や従業員(取引先も含めて)も一斉に受講したらしい。

KT法は正確にはケプナー・トリゴーのラショナルプロセス(rational process)といい、問題解決や意思決定の思考の手順を明確にしながら、目標達成に最適な方法を選択できる合理的な考え方/思考法のモデルである。※KT法は米国Kepner-Tregoe社日本支社の登録商標です。


ある人のHPでは、KT法について以下の様な感想を記してあった。
1.フルプロセスで適用しなくても、 部分的に、プロセスに漏れが無いか、或は検討に行き詰まった時等、チェックするだけでも効果がある
2.極めて簡単に表現するとすれば「いかに多くの人が納得し共有できる答えを見つけるか。 そのために思考のプロセス(特に問題意識、情報、知識、経験)を明確化・共有化して考えて行こうとする時のツール」 である
と記載されておりましたが、私も研修を受けて同様の感想を持っていたので、「やはり、そうなんだな。」と何となく笑みがこぼれてしまいました。

合理的思考法(私が受講したのはKT法でなく、あくまでもTM法の研修であるから)に対する感想は私の書き方だと以下の様になります。
以下は受講後に私が書き記したおいたものなのだが、
1.決断力や常に素晴らしい判断力を有する本当に才能ある人はこの思考法を用いる必要はないこと。
2.直面する問題に対して、最適な解決法(最適解)を選択できる思考法とは限らないこと
3.多少貧弱なセンスになってしまうかもしれないが、合理的判断基準を問題に取り組むスタッフが共有できること。まあ、スタッフ全員がノーセンスな人達だったらどうにもなりませんが。
4.議論が進まなくなって一歩も前に進めなくなった場合に有効な方法の一つだろう。

世の中には、最適解・最善策(問題に直面している時は気づかず、後になって結果が出てからわかる場合も多いのですが。)を求めるよりも、問題に取り組む大多数の人間が納得できる解(納得解)を求めることの方がはるかに重要であることが多い。
大元であるこのKT法なる思考方法は社会心理学者であるケプナーとトリゴーが、優秀な技術者(NASAの技術者)にインタビューして得た研究結果をまとめたものらしい。

上手く物事を処理できない人は、上手く物事の処理をできる人を見習うことが大事とはよく言われるが、観察して真似をするとか、もっと突っ込んで分析しプロセスを抽出し一般化するのは、そのこと自体、才能が要るだろうな。
どうしても一般化できないもの(勘など)は切り捨てられているだろう。
五感で理解できること、又は五感で理解できるように変換・翻訳・表現されたものしか汎用的には学習できないから。

クリティカル思考とかブレークスルー思考とか思考法については他にもいろいろな方法があるようですが、私もこの分野は詳しく知りたいと思わないしそんな時間も無いので、専門の社会心理学者やコンサルト業の人達にお任せし、彼らのご高説を拝聴させていただくとしよう。
しかし、KT法とEM法、TM法の違いがよくわからないな。
左模式図はKT法の解説を見ている時にみかけたもので、自分で書き直してみたものです。
しかし、この模式図は確かどこかの自己啓発団体で見たことがありますね。。。。
これらの合理的思考法もしくはその亜流、改良法を、人生(生き方)の問題解決にそのまま用いれば、それはそれで立派な指針・使い方になるということです。
より良い生き方を提唱する団体(宗教団体とか自己啓発団体)には、これら合理的思考法をそのまま、もしくは多少自分達なりにアレンジして自分達の方法として主張しているところも存在するということです。社会科学者や心理学者等の専門家が既に編み出したものを一般受けしやすいように変えて、あたかも自分達が考案したかのようにこのような分野に疎い人達に提供しているということになるのかな?(まあ、人間、同様な考えを思いつくことはありますから断定までしてはいけないか)

(04/10/08)