事実は事実として認めることの難しさ(プロ野球団「巨人」について)
日本プロ野球とは私から見れば、スバリ
巨人軍のチームドラマ+2リーグ12球団制で行われる競技スポーツとしての野球
という二層構造にみえる。
家庭や家族を舞台として設定したドラマをホームドラマというが、日本プロ野球とは巨人軍を主人公としたチームドラマで、そのドラマは巨人軍の個性的な選手達(といってもそんなにいるわけでないが)を様々な側面からテレビメディアを駆使してスポットライトを当てて、お茶の間にキャラクターを浸透させて顔なじみにさせて人気を得ていく、野球ルールに従ってプレイしながら組み立てていくアドリブだけのスポーツドラマである。
最近は、ジャンパイヤなる存在が噂されているが、本当にそれらが存在するのかきちんと検証した訳でないので、それについては私は断定的に書くことはしない。
以下、それらが実在するものとして書くが、その定義は、巨人軍に有利なように判定を下す審判のことを指すらしい。私が初めてこの用語を知ったのは、確か広島カープの熱烈なファンのHPで見た時と記憶している。
テレビや書籍等でも、他球団の監督経験者の発言や証言で、読売関係者から接待を受けている審判が何人かいると見聞きしたことはあるが、まるで全女子プロレスの悪のレフエリー阿部四郎みたいだな、と思った。一時、80年代の新日本プロレスでも選手の離脱等で人材不足になった際、悪のマネージャー若松市政率いるガスパーズに荷担する悪のレフェリー・ミスター高橋を演じたことがあったけど、これらは観衆をより熱狂させるための演出だったが、プロ野球の場合はどうしてそんなことをしなくてはならないのか大いに疑問に思ったものだ。
巨人を勝たせるため、とか、それらジャンパイヤ自身が巨人ファンなんだと言われたけど、それでも納得できなかったものだ。

それに、12球団制の競技スポーツというシェル(殻)をかぶせてスポーツとしての味付けや装いをしているだけなのである。

似たようなことは、ずいぶん前に喫茶店でパスタを食べながら読んだSPORTS GRAPHICS NUMBER誌のコラム(「セ・リーグは巨人の優勝装置」等)で読んだことがあったが、ここまではっきりと書いた文章ではなかったので、私がここで書いた。

今までは親会社の宣伝やプライドだけでパ・リーグをここまで持たせていたが耐えられなくなったので、パ・リーグ各球団が、巨人を主人公としたドラマの脇役として参加させていただき、その出演料(テレビ放映権料)をくだされぇ〜〜、と言っているのである。
もっと大胆にいうならば、テレビ視聴率も、巨人軍と他球団の視聴率をスポーツの枠組みで出しているが、もっと現状を吟味して厳密に考えるならば
スポーツドラマ(舞台中継、即興劇):巨人VS横浜  15.0%
スポーツ中継:西武VS千葉ロッテ  3.2%
(注:視聴率等のデータは適当に入れた値です。)
という風に考えなくてはならない。

もちろん、競技スポーツが人気を博していく過程でドラマ的要素を持ち始めることはいくらでもあるのだが、(プロレスのように競技スポーツであること自体を放棄してしまうものもある。日本の場合は最初からショーを主としたものだったらしい。ヨーロッパ・アメリカは当初は賭けが成立するスポーツだったらしい。)、いやしくも競技スポーツであるならば、そしてその上にプロスポーツを標榜するのであれば、メディアの露出、一般層に対するアピールの機会も均等であるべきだと思う。今のスタイルはまるっきりドラマ仕立てである。

このまま一リーグにすることで運営の仕組みを変え問題点を解決できると勘違いしている人もいるが、たとえ、東西対抗のオールスターや東京六大学野球に既にあるはずの天皇杯の創設をして改革を果たし危機的な症状は収まったかに見えても、読売グループのむき出しの欲望が何の制御も受けずに反映されていく体質はそのままなので、本当の病巣は摘出されずに完治することなく、その欲望が満たされないことがあれば、いずれ新たな発作を引き起こすと思われる。
表面的には、何か気にくわない不利益を被るような事態が発生すると「有志連合だ。新リーグだよ。」などと唱え出す症状が出るだろう。プロ野球人気という身体そのものが生き長らえていれば、の話だが。

忘れていけないことは、
1.上記枠で記載した、日本プロ野球=「巨人軍のチームドラマ+2リーグ12球団制で行われる競技スポーツとしての野球」という現状認識
2.当面は巨人の主役の立場を認めること
こんなことを書くと、読売のオーナーが古田選手会会長に対して言ったように、「貧乏人の分際で」と言われるかもしれないがね。ふふふ。
3.その上で徐々に他球団のアピールの機会を与えること(これは1リーグ制でも達成されるでしょうね。有る程度。脇役として。)
4.放映権料やグッズ販売利益を各球団に分けるシステムを導入する
5.戦力均等を図るため、徐々に選手の移籍制限やウェーバー方式のドラフト制を導入すること
6.ここが肝心だが、主役交代の機会を導入すること
巨人主体のテレビ放送を続けることは、巨人依存の体質をそのまま続けることになり、それはそのまま読売グループの発言権を巨大なままにしておくことである。
優勝チームが、翌年は主役として常にテレピ中継されて人気や利益を多く得るということがなければ、潜在的に敗退行為を促す(「うちは巨人みたいに優勝しなくていい。」「毎年勝たなくてもいい。」「巨人が勝たないと盛り上がらない。」等)意識がこれからも出てくると思われる。
しかし、長年積み重ねられた巨人偏重放送による圧倒的巨人人気は今から是正できるのかな。。。その点は不安である。
しかも、そのような機会を与えることは読売グループが絶対呑まない最後の砦でしょう。
アメリカで行われているような根幹がしっかりした純然たるプロスポーツだと考えているから、改革が不十分だけ感じてしまう。おそらく本気で改革するなら、選手会やファン主体の新リーグ設立しかないだろう。改革が成功しても(こうなったら、革命と呼んでも差し支えないと思うが)現在の人気を維持できるかどうかわからない。現在のファンは野球という競技を愛しているのでなく、巨人ドラマのファンが大多数を占めるかもしれないからだ。
スポーツの見方というのは人によって様々である。スポーツをどのようにして楽しむかは各人の勝手なのだが、ショー的な見方が勝ちすぎて競技スポーツの原則を侵してしまうケースがある。
長嶋一茂選手がヤクルトに入団した時、三塁には"SWEEPER"(だったかな?テレビ中継ではこう言っていたような・・・師匠のブルックス・ロビンソン選手の異名は 「人間掃除機」らしいけど)という異名を持ちメジャーリーグで実績のあるデシンセイ選手がいた。
期待のルーキーとはいえプロでは未知数の長嶋一茂選手よりはデシンセイ選手を起用するのがチームの勝利を優先するなら当然だと思うのだが、ファンはミスタージャイアンツ長嶋茂雄氏の子息である一茂選手の出場を熱烈に求めて、デシンセイ選手がやる気を失ったことがあった。
似たようなことはそれまでにも幾度もあったのだが、実力でポジションを競わせるか、どうしても一茂選手を起用したいならデシンセイ選手を入団させてはいけない。

今、書いたことは、今のままなら考慮されるとは思わないけど、これから状況がどう推移していくか見守りながら、自分の感覚や判断が当たるのかどうか楽しませてもらうとするか。

本来ならば、自分の主観や感覚で書きとばすのではなく、プロ野球の歴史とか球場の観客動員やテレビ視聴率の推移といったデータ、各国のスポーツの現状や他のスポーツ(ショー)との対比を十分に行って書くのが正統的な書き方だと思うが、専門家でも関係者でもなくこのような文章を書いて利益を得ている訳でもない私が、そこまでする暇はないし、する気もない。
かつては野球ファンだった一傍観者として感想を書かせてもらった。
追記
元々大正力(故・正力松太郎氏)が自分の新聞を拡販するために職業野球団を作ったのだから、読売グループがその目的のために巨人中心のプロ野球機構を維持しておきたいと思うのは当然。誰だって(自然人だけでなく法人でも)、自分の都合悪い制度は自ら取り入れる気はないだろう。ただ現在の騒動や読売新聞社の渡辺オーナーの暴言・失言の報道が、プロ野球のイメージ、ひいては読売新聞社の姿勢を悪くして、今までの努力を台無しにしている。

私が読売のオーナーだったなら
企業の総力を挙げて遮二無二になってまで、チーム強化はをしない。
その年のルーキーで、No.1-No.3までの有望株は獲得できるようにルールを作っても、他球団で育てた選手、遅咲きの選手のような他球団の特徴とも言える選手を根こそぎとるシステムまではつくらない。
シェルを厚くして競技スポーツとしての味付けや装いを壊すようなことはなるべくしない。そうしないと、競技スポーツの根幹が抜け落ちている実態が明らかになってしまう

たまには、自チームである巨人にも負けてもらって、他球団ファンやアンチ巨人の溜飲を下げさせてあげる。こうすることが、実は読売グループの利益に叶い、自分達に都合の良いシステムを温存できるからだ。みんなに楽しんでもらわないとね。

ここまで欲望があからさまになってしまったのは、万全の戦力を整えたつもりなのに巨人の負けが込みすぎたかもしれないし、常勝巨人に慣れてしまった、主人公巨人の(筋書き無し)野球ドラマファンが納得しないからだろうか。

フジTVで放送した'04 サンヨーオールスターゲーム第一戦を見たが、昔ほどワクワクして見られない。というか、なんとなく見ていた。
合併反対デモでもやるのかな、と思っていたが、何にもなかったような気がする。
試合前のOB選手を交えた新旧ホームラン対決は、かえってOB選手の名誉を損なっているよ。現役選手と一緒にやらせることはあるまい。こんなことまでしなくてはならないオールスター戦なら無くなっていい。選手のプレイだけでいいではないか。
これでおわりです。以上。(Copyright: All Rights Reserved by BRIYA-WATTY)
と、締めくくるつもりですが、まだ完成しておりまへーん。先に結論部分だけ執筆した。
体調が悪すぎる。。。。。。
書き殴りメニューに戻る 前のページへ

(04/07/10)