1.今から考えれば拙くて未熟な講習や技術だったとしても、その時点においては、その人が提供しうる最大限の技術と知識だったかもしれないこと
 催眠に限らず、私は今までに数多くの研修会とか講習会に出席した経験がありますが、いろいろと"当たり"とか"外れ"があります。

"外れ"の時というのは、
1.レベェルが低すぎる(自分が良く理解していることを言うだけ。他の書籍にももう書いてある等)
2.レベェルが高すぎる(難解すぎて理解できない)
3.題名を見た限りでは興味・関心を引くのですが、実際に参加すると自分の欲していたものと違う

というようになるのかな。。。

それらの研修や講習が無料なら時間だけの損失ですむが(それでも多忙な現代人には痛いのだが・・・)、有料しかも高価だとほんとに痛いな。
そうなると

4.どう考えても、(レベェルがまあまあでも)費用の負担が研修・講習の価値に見合わない

というものも"外れ"の中に入ってくるな。。。

事前調査を行わなかった、もしくは不十分だった自分が悪い時もあるのですが、ひとりよがりの大先生にも問題がある場合もある。そして、上記のようなミスマッチを講師側が意図的に狙うのは当然許し難い・容認できないことである。

まあ、パソコンや家電の進歩を見てもそうですが、現時点から見て昔の家電製品は性能に比して高すぎだった!!と思っても、当時はそれ以上性能の良いものがなかったというように、有る程度経験を積んだ私のレベェルから判断するのも実は適切ではないのかもしれないし、その先生が自分自身では自信満々に思っていても、客観的に見たら人様にお金をいただいて提供できるものではなかった、言い換えてみれば、つまり客観的にはどうあれ、その人がその時期に提供しうる最大限の技術と知識だったというケースもありうる。

最初から自分の持てるものを意図的に出さず対価に比して質の悪いものを詐欺的に提供しようとしていたなら、徹底的に糾弾されるべきだが、未熟な先生が(講習者の要望や水準を見極めない、とか教え方・進め方が悪いという場合もあるだろうけど)、それだけの技術とか知識しか無かったという場合はやはり糾弾するべきなのだろうか?判断に迷うのである。

一万円しか持たない奴に「一億円出せ!!」、といっても、無い袖は振れないしな。。。

しかし、高価なお金を取っている場合は文句ぐらいは言いたいとも思うしな。要望ぐらいは聞いて思うけどな。そんな先生のくせに自信満々な奴だったら頭にくるだろうけどな。

催眠の講習を開催する時に講師が念頭に置いておかなくてはならないのは、何はともあれ受講者の要望だろう。

さて、催眠を習いたいと思う人達は何を講習に求めているのだろうか?
手取り足取り教えてもらおうとする人は何の前準備もしてこないと思うが、関心が強い人はおそらく書店で購入できる書籍ぐらいは買っていることであろう。となると、そういうものを前もって読んでいるのだから、多少内容が重なってもいいが、できるだけそれ以外のことを教えてあげるのが親切・良心的というものだ。

これは催眠に関する話でなく、どういう風に教育していくか、の話になるので、その他の分野でも一般化も可能だろうが、まず基本的なテキストを作成し、それを用いて教えていくうちに意見や要望を聞いて、それらをフィードバックして改訂を繰り返してテキストを改善していく、という方法もありうるが、そのようにいろいろな人の意見を取り入れて作成されたテキストでも、読む人の理解力、主に興味・関心の高低によって良く読んでいるところとそうでないところに偏りが出るんだよね。

私自身が業務上読んでいる雑誌・専門書・事典みたいな説明書でも、実際に実験機器が手元にあって実際にトライできる項目についての内容はよく覚えているが、全然試せないものは全く頭に入りません。

催眠なら、被験者(言い方が失礼に感じるならば、"被誘導者")になってくれる相手が見つかれば、いろいろ試せるでしょうけど、自分が得意でないというか、好みでない誘導法ってあるでしょう。ものぐさな人とか勘違いしている人などは"瞬間催眠法"なるものにしか興味持たないらしいが。。。

いつもの悪い癖で、話は横道いきそうなので止めますが、改訂を繰り返したテキストでも個人個人で偏りが出る。しかも、人によっては既刊の書籍も事前に読んでいて、しかも、それぞれ違う本である。
それらの本を個人の知識理解度の判断基準として使用するという手もある。しかし、そういうことができるためには、それらがどんなことを書いてある本か知っておかねばならない。と言うことは、教える方は手元に持っていないといけない。(初心者が珍しい本を持っていることはめったにないから、代表的なものさえあればいいかも)

チェックシート等を作成・利用して、"自分がよくわからないところ"を申告させればいいかもしれないな。とにかく、テキストは事前に受講者に渡しておくのがいい。但し、その内容は修得度チェック用の意味合いの強いもので、そして、これから教えることがどういうものか、それを受講者に知らせる内容のものであって欲しい。もちろん、市販のものに書いてあることはアウトラインだけでも網羅しておいてもらいたい。


(もうここでやめ!! 仕事の後に時間を割いて今は関心無いこと書くのはだりいな(笑)。書き始めてみると意外に長くなるものだ。03/11/21-04/02/16)

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