三浦カズ・北沢豪両選手の'98W杯本大会直前メンバー落ちについて思うこと
結局のところ、私はどう思っているかというと、三浦カズ選手と北澤選手は'98ワールドカップ本大会に出すべきだったと思っている。
両選手の落選のニュースは東京都内の宿でテレビを見ていて知ったのだが、凄く驚いた。
いろいろ騒動はあったが(国立競技場でなかなか結果が出せなかったカズ選手の車に生卵がぶつけられるなど)、結局カズは本大会に出るだろうと思っていた。北澤選手もできることなら出してやるべきと思っていた。何よりも北澤選手のおかげで予選の試合で中盤のスペースができるようになって機能し始めたのだから。

落選のニュースを見た瞬間、底知れない不安を感じたものだ。
こんなことを書くと、当時の「SAPIO」誌連載の"新・ゴーマニズム宣言"で「三浦カズなら勝っていた。」と書いて一部で非難された小林よしのり氏みたいだが、たとえ結果がグループリーグ三連敗でもカズが本大会で見られれば納得できたが、同じ結果でカズがいなかったのでは話にならん。

当時、NHKの中継で日本代表を応援していたけれど、大きく醒めた感じでもあった。
三連敗して多少は悔しい気もしたのだが、まあどうでもいいな、と思いであった。
例えが難しいが、感情移入して見ていた水戸黄門を見るつもりが、何かぼんやりと雑用をこなしながら暴れん坊将軍を見ているとでも言おうか。
私も熱狂的なカズ選手のファンではなかったが(ブラジルまで渡って夢に賭けた、決定力があった等、素敵に感じたことはある)、実際に代表からいなくなってみると、これほどさみしいとは思わなかった。

北澤選手についてなのだが、「カズはまだいいよ。みんな同情してくれるから。かわいそうなのは北澤だよ。(メディア等で)誰も同情してくれない。俺が北澤だったら自殺しちゃうよ。大体予選突破できたのも北澤の貢献が大きいのに。」という話を会話で聞いたことを思い出した。私も同感だった。

グループリーグ三連敗して確か城選手が帰りの空港のロビーで水をかけられた事件があったのだが、城選手に水をかけるという行為自体は感心できないと思うが、気持ちはわからんでもない。ガムを噛みながらあの余裕をかましヘラヘラ笑っていた仕草や無意味に見えたオーバーヘッドキックは頭にきていた。(緊張をほぐすためだったことも知っているが)

しかし、私がどうしても憤懣やるかたない熱狂的サポーターだったなら、城選手でなく岡田監督に水でなく卵やトマトを投げていたことだろう。
本人は一生懸命やっているのに(緊張をほぐすためにガムを噛んだり、余裕のポーズをする)、外面的にはふざけているように見える(ラモスさんが試合終了後に、"Jリーグじゃないんだよ!!"等怒り出すなど。私の周囲でもテレビ観戦していた人も怒っていた。)ということがあるが、プロなのだから表現力も身につけて欲しいね。
まあ、それだけ余裕がなかったんだろうな。それなら普通に一生懸命やって欲しかった。
以下は極めて少ない例外だが。
例.長嶋選手・・・大きめのヘルメットをかぶって三振して、それが脱げるほどの豪快なスイングを演出する
A.猪木選手・・・地下室の大鏡の前で自分の登場シーンを練習していたらしい(古館アナ曰く赤い"闘魂タオル"を首にかけて二、三回しごいた後、豪快にガウンを脱ぐ)

せめて、プロ選手は自分がかつて憧れた選手のどういうところに痺れたり感激したか覚えていて、自分もその行為(プレイ、感情表現)を継承して欲しいものだ。
メニューに戻る 前のページ 次のページ